💕可憐可愛いよ可憐💕

オチ……

「お兄ちゃん、今日はどうもありがとうございました」

　深々とお礼をする可憐。

　僕も可憐と一緒にゲームセンターに行けて良かったよ、と微笑みながら言う。

「このぬいぐるみ、大切にしますね」

　UFOキャッチャーで取ったぬいぐるみを抱きしめる可憐。

　そして次にプリクラで撮った写真を取り出した。

「このお写真も、大切にしたいと思います」

　可憐は少し顔を赤くさせながら言う。

　僕も大事にするよ、とニヤニヤしながら可憐を見る。

「……もうっ！　お兄ちゃんのいじわる！」

　ニヤニヤの意図がわかったのか、そっぽを向く可憐。

　プリクラで撮った写真には、可憐の真っ赤になった顔が映っているのだ。

　僕はつい可憐って可愛いな……と口に出してしまう。

　可憐はえっ？　っと一言言うと、また顔を赤くさせ、僕に言う。

「今日のお兄ちゃん、何か変」

　変って？

「何か、すごい可憐に優しい気がする」

「いつも優しいけど、でも今日はもっと優しい気がする」

「お兄ちゃん……」

　可憐は顔を俯かせ、小さな声で呟く。

「大好き……。世界で誰よりも、一番お兄ちゃんが大好き」

　また胸が高鳴る僕。

　それに今回は今まで以上にないほど、胸が苦しい。

　僕は思わず可憐を抱きしめようとしたが、途中でやめてしまう。

　なぜやめてしまうのか……？

　それは多分、抱きしめてしまうと何かが崩れてしまうような……。

「お兄ちゃん！」

　可憐が少し大きな声を出すと、僕は少し驚いてしまった。

　可憐は不思議そうにこちらを見てくるが、何もなかったように話始める。

「それじゃあお兄ちゃん。別れるのは寂しいけど、また会えるよね……？」

　そうだね、また明日会えるよ可憐。

　僕は明るい声で可憐にそう言うと、手を振る。

　また明日な、可憐。

「うん！　ばいばい、お兄ちゃん」

　可憐は何度も後ろを振り返り、そして振り返る度に笑顔で手を振ってくれた。

　僕も可憐に負けないようにと大きく手を振り返す。

　そして可憐が見えなくなった頃、一つため息をつき、独り言のように呟く。

　今日の可憐、可愛かったな……。

　まぁ、いつも可愛いけど、今日は特別に可愛かった気がする。

　それに、あの胸のドキドキは……。

　どうして、あんな気持ちになるんだろう……？

　可憐……。

　また、明日、会いたいな。