💕可憐可愛いよ可憐💕

オチ……

　そう思った時、不意に後ろから知っている声が聞こえた。

「……兄チャマ、可憐チャンと楽しそうデシタネ」

「四葉、羨ましいデス」

　うぉ、四葉!?

　意外な不意打ちを食らい、思わず声が裏返ってしまう。

「兄チャマ、何そんなに驚いてるデスか？」

　四葉……、せめて声をかけてから話しかけてよ。

　僕はそう言うが、四葉には聞こえていないらしく、少し怒っているような顔で話し始めた。

「兄チャマ、可憐チャンとだけ遊ぶのは、ズルイと思いマス」

「と言うわけで、兄チャマ、これからどこかに行きましょう！」

　え……？

「ほら兄チャマ、こっちこっち」

　僕の腕を引っ張る四葉。

　僕は言われるがままに引っ張られているが、疑問に思ったことを四葉に聞いてみる。

　四葉、なんで僕と可憐が遊んでたって知ってるの……？

「そのことデスカ。えっとですね……、確か咲耶チャンからメールが……」

　四葉がそこまで言うと、僕の携帯が鳴り始める。

　ごめんね四葉、と一言いい、携帯を見てみる。

　すると携帯には着信履歴が4件あり、全て咲耶からだった。

　そして今も咲耶から電話が……。

　恐る恐る電話に出てみると、咲耶の明るい声が聞こえてきた。

「お兄様、私、見ましたわよ」

　な、なにを……？

「可憐ちゃんと手をつないで歩いている所を」

「あんなに楽しそうなお兄様、私以外に見せる人が居たなんて……」

　僕は咲耶に誤解だよ！　と言うが、咲耶は聞いてくれない。

「お兄様、これから暇ですわよね？」

　い……いや、暇じゃな……

「今日はお夕食、私達と一緒に食べましょうね」

　私達……？

「そうよ、私に四葉ちゃんに雛子ちゃん。それに春歌ちゃんに衛ちゃんも……」

　えっ？　えっ!?

　焦る僕。

　待て待て、なんでそんなに妹達が大集合しているんだ……？

　それに夕食って、そんな大人数でどこで食べるんだよ……？