PrologueEpisode1

7/14
前へ
/159ページ
次へ
「スイマセン。イチから聞いて良いスか?」  俺の髪を染めながら頷きやがる。見えねぇよ。 「今日の仕事はイベントっスよね?」  YESらしい。 「会場設営とか機材搬入?」  NOか…。 「まさかー晩餐会?」  ため息吐きやがった!じゃあ何なんだよ!ハッキリ云いやがれ! 「コミックマーケット。(きゃっ。)」  こみっくまーけっとぉ?それってまさか……。 「通称コミケね。ちなみにこれ会社通しての仕事じゃないから。「私ツテの…」って云ったでしょ?で君の今の格好は「聖騎士コーエン」の「執事アルフォート様」のコスプレよ。(わぉ。)」  どこからツッコんで良いのか解らなくなってきた…。何で俺はこんなオタクの巣窟にいるんだ?そーいやさっきから後ろの方でシャッター音が鳴っているが…。撮られてるのは俺かっ! 「あの、今日のこれ…キャンセルして良いスか?…つかキャンセルします。…帰ります…。て、何、部長も写メ撮ってるんスか!」  あぁこの女、殴りてぇ。いや、いかん。こんな時でも一応相手は上司だ。堪えろ、俺。
/159ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加