クズの実

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空港で手続きを終え、ロビーで出発を待っ。 きっと、 周囲を歩く旅行客たちには、カップルにみえていただろう。  彼女を見送りに来た彼氏との別れを惜しむかの様に。  普通に座っていたのなら、たいして気にも止められることはないだろう。 しかし、  気づけば紗耶は、木田の腕に引き寄せられ胸に抱かれていた。 何も感じない。  むしろ、止めてほしい。 こんな人と、関係があるなんて思われたくない。  この瞬間…今までのことを思い出し、冷めていくのを感じた。  (あんなことしといて、あんな思いをさせておいて、何もなかったかの様なこの男は何なんだろう。) 木田は、もとに戻れると思っていた。  紗耶とは逆に………。
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