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「弟くん!さっきの水着と今着てる水着だとどっちが似合う?」
「つ、月姉!?何やってるんだよ!!」
「お姉ちゃん!?」
いきなり乱入してきた月姉の姿を一目見て、俺は思わず目を背けていた。
さっき着ていた水色の水着から着替えたのだろう。
乱入してきた月姉が着ているのは、布面積が極端に少ない水着だった。
なんかもう……裸と同然だと言っても間違いじゃない気がする…………
「ちょっと、ちゃんと見てよ弟くん!」
「そんな水着をまともに見れるわけないだろ!」
大胆だとかセクシーだとかを通り越して、今の月姉はエロスだ。
これならさっき廊下で着ていた水着の方が何倍もマシなんだけどな…………
「……俊一、お姉ちゃんの水着見て顔がにやけてる」
「えっ?そうなの弟くん」
「ち、違う!!」
とっさに否定したのだが、由美は完全に機嫌を損ねてしまったようだ。
俺か?俺が悪いのか?
「由美、その水着……とってもよく似合ってるぞ」
「あ、弟くんっ!それ私にも言って?」
「――っ、もういい!俊一に誉められたって……嬉しいけど、嬉しくなんてないんだから!!」
どっちだよ?
それと、月姉は黙ってなさい。
ご機嫌斜めな由美と、一人で勝手に盛り上がってる月姉。
俺は一人で嘆息しながら、ふと明日のことを考えてみる。
明日の家族旅行は、俺にとって安息の一日でありますように…………
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