おとされたまく

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  「蒼さん?庵くんは――」   「つっこんでやるな、紅。ところで侵入者は?」   「え、何で知っ……体育倉庫です」     すぐ俺の心を読んだ事に気付いたらしく、紅さんはすぐに答えた。   ……蒼さんの能力、大分慣れたはずなのに……少しブランク空いたらこのザマかよ……一番痛いところ読まれた……。     「――そうか。庵、辺りの監視を頼んでいいか?縹は手が離せないし、紅も仕事があるだろう?」   「蒼さん、あたし――」   「大丈夫っすよ、紅さん。俺は時間あるんで気にしないで下さい」     少し不安そうな、困ったような顔をしていたけど――蒼さんが軽く肩を叩くと、こくりと頷いた。     「じゃあ少し時間貰います。なるべく早く戻りますから」   「頑張って下さい」   「無理はするなよ」     ニコッ、と可愛く笑って――紅さんは歪みの向こうに消えた。 それを見計らっていたのか、歪みが消えた瞬間、蒼さんが俺の方を向いた。     「何ですか、蒼さん」   「凜々の具合はそんなに酷いのか?」     聞いた瞬間、反射的にぴくっ、と手が動いた。  
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