一章

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「それじゃ桜ちゃん、これが解決するまでゆーちゃんの所で大人しくしとくんやで? あんまり無闇に出歩くのは禁止やから殺されたくなかったらそこんとこは守ってな?」 母の一言で御影桜の顔色が一気に蒼くなる。 最後の最後できっちり釘を刺しておく所は我が母らしいと心の中で拍手喝采。 「ま、こっちは3人もいるんやし桜ちゃんがそんな目に合うことはまずないやろうから安心しい。 どうしようもないと思ったらウチも参戦するし。 そゆことだからゆーちゃん。さっさと終わらしてしまい」 ……変なところでプレッシャーをかけるとこがホント我が母らしいですよ。 ーーーーーーーーーーーーーー 一通りの説明を受け事務所を後にし、御影桜と一緒に自宅へ戻る。 「ねぇ、貴方のお母さんっていつもあんな調子なの?」 「あれでも抑えてた方ですよ。酷いときなんか……ダメだ寒気が」 「……頑張りなさいよ」 それっきり会話が途絶える。 何となく気まずい雰囲気になるが、相手は初めて来た土地なんだろう。辺りに何があるか見るのにキョロキョロしっぱなしである。 「……こっちに来たのは初めてなんですか?」 「んー……初めてのはずだと思うんだけど何か見たことある風景なのよね。 えっと……デジャブって言うんだっけ?多分それ。てことは次は……」 「げ」 御影桜が次に起こるであろうことを思い出しているところで、この場で会いたくない人物ベスト3に入る女の子を発見し思わず変な声が出てしまう。 「……っ……の……タラシがぁぁぁぁ!!」 「ちょっ…!待っ…!」 怒号が聞こえてきたと思いきや、50メートル以上あったはずの距離が僅か数秒で0になりかなり勢いのついたドロップキックが腹に直撃する。 あまりの衝撃に意識が持って行かれそうになるがそこは男なので耐える。 「あー……言うの遅かったね」 かなり遅いですよ御影さん……
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