一章

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「さてどう説明してもらおうかしらねウジ虫野郎」 ドロップキックを喰らい5メートルほど吹き飛んだトドメを入れんばかりに顔面を踏みつけてかかるロリ暴君。 「ほのまひぇにあひをろけろ」 「あ、そうか。人間がウジ虫の言葉なんてわかるわけないものね。と言うことで詫びて死にやがれ」 女の子に踏まれて死ぬのは―――ごく一部のマニアックな方々は泣いて喜びそうだが―――ごめんなので奥の手を使う。 「みへへるほ」 「……っ!」 これだけは何を言ったか理解できたようで、すぐに飛び退いてスカートの裾で押さえようとするがそんなものないわけで。 「……騙したわね」 見事に引っかかってくれたが更に火をつける羽目になってしまう。 正当防衛だと主張したがそんなものロリ暴君の前では意味があるわけなくこの後一時間ほど町内を全力疾走で走ることになったのは言うまでもない。 ここで少し紹介。 ロリ暴君こと八雲夏樹は同級生であり近所にある神社の巫女をやっている。 ロリの鏡かというほどの幼児体型で童顔、更にはツンデレというスペックを持った、何度も言うがある種の人々には大ウケの女子だ。 正月や地域の祭りではコイツの巫女姿を見るだけに来る輩まで出る始末。 それで神社が繁盛しているので何とも言えないところだそうだが本人曰わく「キモイ、消え去れ、さもなくば消す」と口には出さないがなかなか葛藤しているようだ。
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