序章

3/3
前へ
/23ページ
次へ
不審に思った町の住人は夜に見回りをすることにしました。 しかし見回りに行った住民は帰ってくることなく消えてしまいました。 残された人は躍起になって消えた住民と原因を探し始めました。 しかし消えてしまった住民と同じようにいなくなったのです。 そんなことが続いたある日、たまたま住民が見かけてしまったのです。 男の子と女の子が楽しそうに人を食べていた所を。 その噂はすぐに町中に知れ渡り、子供たちは学校は疎か家の外にも出れなくなりました。 住民は子供たちを『鬼』と呼ぶようになり、両親は陰口を叩かれ、罵られ、暴言を吐かれるようになったのです。 そんな両親の姿を見た子供たちはこう思いました。 「あいつらをみんな食べてしまえばいいんだ」 そして町の住民のほとんどが食べられてしまいました。 この時ばかりは両親は自分たちの不思議な力を呪いましたが、子供たちの力を封じるためにも必要なこの力を嬉しくも思いました。 この事件の後、遠い国から来た同じ力を持つ人たちによってこの家族はほんのちょっと助けられました。 それは決して幸せと呼べるものではありませんでしたが、それでも食べてしまった人たちに謝罪するために、自分たち家族の存在意義を見出すために……
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加