一章

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「はあ!?母さん!?」 自分の母親だった。 「睦月、どういうことだ!?なんで母さんが依頼してい……はぁ……そういうことか」 思わずため息が零れる。 自分の母親が来たということは危険度Aどころか測定不能の域の仕事。簡潔に言い換えれば死んでこいと言っている様なものだ。 それでも生き残っている自分を褒めてほしい。つか褒めろ。 「ん?ゆーちゃん勘違いしてへん?今回本業はオマケやで?あ、でも考え方によっては本業より大変かぁ…… ま、百聞は一見に如かずやしとりあえず会ってもらおか」 入っておいでーと呑気に扉の外で待っているであろう人物に声をかける母親。 「失礼します」 多少緊張している様だが凛とした声で返事が返ってくる。 入ってきたのは160センチよりやや高めでダークブラウンの髪をポニーテールに纏めた女性。印象は少々男勝りな女の子といったところ……あ、睨まれた。 「ほな紹介するねー。この子は御影桜ちゃん。スリーサイズは上から8……」 「七神さん」 「そんな睨まんといてーなー。ちょっとした冗談やんかー。折角の可愛い顔が台無しやで?あれ?なんでアイアンクローされとるん?ちょ、力入っとるて痛たたたたたたたたたた!」 目の前の光景にどう反応すればいいのだろうか。 助けを求めるべく睦月に視線を向けるが、奴は既に姿を消していた。 逃げ足の早い薄情者だった。
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