文学泥棒と学校一の落ちこぼれ

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そう言って泥棒はこっちに手を伸ばし 顎の下から首を指でそっと撫でた。 俺はびっくりして横へと逃げる。 「俺は猫じゃないぜ、こそ泥。」 強がってみたものの俺の声は震えていた。 「いや、外見だけで判断するのは失礼かと思いましてね。 まあ、思った通りの結果でしたよ。」 「言ってる意味が全然わかんねぇよ。 まわりくどいのは好きじゃないんだ。 はっきり言えよ。」 俺は震えながらも泥棒を睨みつけながらいった。 「せっかくかわいいお顔をしているんですからもっと上品に振る舞ったらどうですか……       『お嬢さん』。」
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