文学泥棒と学校一の落ちこぼれ

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「関係ない!? 関係ないだと!! 大有りだよ。これは父さんの形見だ! 俺たち家族3人を繋ぐ絆なんだ!! だから、俺の命に代えても守ってみせる。 おまえなんかに渡しはしない!!」 俺は泥棒を睨みつけた。 ほんの少しの沈黙、それを先に破ったのは泥棒だった。 「はあ~、仕方ないですね。 そんな目をされたら盗れる物も盗れないですよ… 私も人の子、一応情はあるつもりです。 よって、今回はあなたに協力しますよ。特別にね。」 「本当か!? ありがとう。 …なんて言うと思ったか!! 当たり前だ、おまえがこんな風にしたんだから協力じゃなくて責任を取れ!!」 「いや、そこはちゃんとお礼をいいましょうよ。 それにタダ働きはごめんです。」 その後少しの間お互い罪の擦り付け合いをしたあと、俺は成功報酬としてこの本以外の物を渡す事になった。 俺の方が損しているような気もしたが、この本は盗まないと約束してくれたのでその条件を呑むことにした。
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