行き倒れとキャラバンの少女

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しばらくして砂から出てきたものを見て俺はがっかりした。 「なんだよこれ、ただのホイッスルじゃねぇ~か。疲れて損した。」 そう、それは魔法のランプではなく銀色のホイッスルだった。 しかし俺は、吹いたら魔神が出てくるんじゃないかと淡い期待を胸に、汚いのを我慢してホイッスルを吹いてみた。 が、音は鳴らない。というか砂がびっしり詰まっていて息が入らない。 俺は悔しくなってホイッスルを地面に叩きつけた。 そのままほっておこうと思ったが、なんだか後味が悪かったのであの泥棒に押し付けようと思いポケットに押し込み、再び歩き出した。 しかし、余計な体力を使ったせいか 足取りは重くなおかつ何もめぼしい物は見つからない。
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