行き倒れとキャラバンの少女

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「ライラ? ライラってばちゃんと聞いてるの!?」 「あっごめんごめん、ぼーっとしてて聞いてなかった。」 「も~ライラ最近そういうの多いよ。しっかりしてよね!!」 シエルは少し怒ったように言う。 「わかったわかった、今度から気をつけるよ。 で、何だったっけ?」 私はシエルをなだめ、そして尋ねた。 「もうすぐ日が暮れそうだから、今夜はここで野宿だって。」 「了解、ありがとね。 私ラクダに水やってくるわ。」 そう言って荷台からおりて水を持ってラクダのところへ行こうとした。 その時、一陣の風が駆け抜ける。 「…!」 なんだかその風は私を呼んでいる気がして、気づけば私は駆け出していた。 「ライラっ。ねぇどこに行くの!? ライラってば!!」 後ろからシエルの声がしたが私の足は止まってはくれない。
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