文学泥棒と学校一の落ちこぼれ

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『数時間前』 「ふう、今日もいつもと同じで退屈な1日だったな。」 俺は真上で輝いている満月に向かって話しかけた。 はたから見れば変な人に思われそうだが、今この道を歩いているのは俺一人だから気にならない。 俺の家は学校から歩いて5分もかからないところにあり、いつも徒歩で通学している。 いつもと変わらないこの道は煌々と輝く満月に照らされて普段にはない影を映し出していた。 しばらくすると家の前についた。 俺はポケットから鍵を取り出し扉を開け中に入る。 「ただいま。」 俺の声は真っ暗な廊下に吸い込まれるようにして消えた。
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