行き倒れとキャラバンの少女

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「ごめんね、あんまり参考にならなくて。 でもこれだけは言えるわ。 例えライラが何か隠していたとしても私はライラを信じている。 ライラが何者であってもね。」 シエルさんは俺の目を見て自信満々に言った。 「そうだよな、ライラはライラだもんな。」 俺はシエルさんに言うと同時に自分にも言い聞かせる。 するとシエルさんは立ち上がり俺に背を向けた。 「じゃあ私眠いからもう寝るね。 明日は街に着く予定だから、まこと君もしっかり寝とかないとしんどいよ。 じゃあ、おやすみまこと君。」 「うん、おやすみなさいシエルさん。 良い夢を。」 そう言ってシエルさんは荷台の方に向かって行った。 俺はキラキラと光る水面を見ながら、今までの事を整理してみた。 俺が此処へ来た理由。 キャラバンの人達から聞いた情報。 いろんなことを整理してみてもやはり謎は深まるばかりだ。 それに、最近気づいたのだが、ライラは俺が女だってことを知っているみたいだ。 今だにシエルさんも気づいていないのにだ。 「…まあ何にせよ、ライラを信じようって決めたんだ。 考えるのはもうやめよう。」 俺は一人呟くと、立ち上がり荷台に向かった。 そして、この世界に来て初めての街に期待を寄せ深い眠りについた。
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