2人が本棚に入れています
本棚に追加
「ごめんね、あんまり参考にならなくて。
でもこれだけは言えるわ。
例えライラが何か隠していたとしても私はライラを信じている。
ライラが何者であってもね。」
シエルさんは俺の目を見て自信満々に言った。
「そうだよな、ライラはライラだもんな。」
俺はシエルさんに言うと同時に自分にも言い聞かせる。
するとシエルさんは立ち上がり俺に背を向けた。
「じゃあ私眠いからもう寝るね。
明日は街に着く予定だから、まこと君もしっかり寝とかないとしんどいよ。
じゃあ、おやすみまこと君。」
「うん、おやすみなさいシエルさん。
良い夢を。」
そう言ってシエルさんは荷台の方に向かって行った。
俺はキラキラと光る水面を見ながら、今までの事を整理してみた。
俺が此処へ来た理由。
キャラバンの人達から聞いた情報。
いろんなことを整理してみてもやはり謎は深まるばかりだ。
それに、最近気づいたのだが、ライラは俺が女だってことを知っているみたいだ。
今だにシエルさんも気づいていないのにだ。
「…まあ何にせよ、ライラを信じようって決めたんだ。
考えるのはもうやめよう。」
俺は一人呟くと、立ち上がり荷台に向かった。
そして、この世界に来て初めての街に期待を寄せ深い眠りについた。
最初のコメントを投稿しよう!