行き倒れとキャラバンの少女

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――――――――――――――――――― 「おい、起きろちびっこ。 町に着いたから商品降ろすの手伝え。」 ライラの声で目覚めた俺は、目をこすりながら外へ出た。 他のみんなはもうすでに荷物を店の店頭に並べ始めている。 「あっ、まことくんおはよー。昨日はよく眠れた?」 起きてきた俺を見つけたシエルさんが元気よく手を振りながら走ってきた。 「うん、おはよう。もちろんバッチリ眠れたよ。 しかしすごいな、まだ朝なのにこんなに人が大勢いるなんて。 ここら辺の町はみんなこんな感じなのか。」 俺は辺りを見回しながら言った。 市場はまだ朝だというのに大勢の人で賑わっている。 「う~んと、ここら辺で人が多いのはこの町ぐらいかな。」 「ここアルフェッカはオアシスのほとりに位置していて、水を求める旅人がよく立ち寄るからその人達を狙って私たちのような商人が店を出し、それが大きくなってバザールができるんだよ。」 シエルさんが話している横からいきなりライラが入り込んできた。 ライラは軽い朝食を俺に差し出し、「さっさとご飯食って荷物運び手伝えよ。」と言うとどっかに行ってしまった。
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