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「あぁ、ガキがこの俺に何のようだ。
ただの冷やかしだったらただじゃおかねぇぞ。」
屋台の店主は鋭い目で俺を睨みつけてきた。
店主はとてもガラの悪い感じの人で、店頭に並べられている品物はどれも高価そうな物ばかりだが、所どころに変な赤いシミがついていた。
「あの、聞きたい事があるのですが。よろしいでしょうか。」
俺はビクビクしながらいつもは使わない丁寧な口調で尋ねた。
「聞きたい事ねぇ、まさかお前タダで俺に聞こうなんざぁ~思ってねぇだろうな。」
「えっ、いや…その…、いくら払えばいいですか。」
俺は焦りながら聞き返した。
すると途端に、その店主はナイフを振り上げ叫んだ。
「てめぇの命含めて全額に決まってんだろぉ。」
俺は急いで後ろに下がろうとしたが、壁にぶつかって動けなくなってしまった。
(くそう、今度こそ本当に死んだ。)
俺は目閉じ死を覚悟した。
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