行き倒れとキャラバンの少女

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「おい、大丈夫か!しっかりしろ!!」 ライラが焦って聞いてきた。 だけどいろいろショックで上手く言葉にできない。 ライラはそのまま俺を背負うと、さっき来た道を戻り始めた。 そして、しばらくして俺の呼吸が安定すると、それを見計らってライラは「どうだ、だいぶ落ち着いたか。」と聞いてきた。 「うん。」 俺は素っ気なく返す。 俺はまださっきの光景が信じられないでいた。 「悪かったね、血が苦手だって知らなかったんだ。本当にごめん…。」 俺にはライラの顔は見えないけど声で相当反省しているとわかった。 でも、血が苦手とかそういう問題じゃない。 確かに俺は死にかけた。でも… 俺は何にも言わなかった。 いや、言えなかった。 俺たちは一言も話さないままキャラバンのみんながいるところに帰った。 あれから4日がたちこの町での滞在最終日になった。 だけど今だに俺はライラとは話していない。 シエル姉ちゃんが心配して尋ねてきたが俺は何にも言わなかった。
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