行き倒れとキャラバンの少女

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「ライラ…」 俺は立ち止まりながら小さな声で呟いた。 すると、向こうも俺に気がついたらしくこちらを向いて目を見開いていた。 俺は一歩一歩ゆっくりと近づいていく。 「お待たせライラ、行こっか。」 「うん、そうだね。とっとと行って片づけ手伝わなきゃ。」 お互い何日かぶりに声を聞いたが、まだどことなくよそよそしい。 ライラが歩き出したので俺も黙ってついて行った。 さっきから一言もしゃべらず気まずい空気がながれている。 (何か話さないと…) 別に話題がない訳ではない。 だけどライラに話しかける勇気が俺はなかった。 すると、 「ちびっこ、こないだはその、本当に悪かったね。 あんたを助けるつもりだったのに反対に傷つけちゃった…。ごめんな…。」 前からポツリとライラの声が聞こえてきた。
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