俺の心嫁知らず

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  しかし、どうやって聡美を説得しようか、俺は悩んでいた。   会社に出勤すると桜庭の姿が見え、俺は桜庭の彼女に相談してみようと思った。   聡美の友達なら、聡美を説得する方法を知っていると思ったから。     桜庭にこの話をすると、ニヤニヤしながら聞いているその顔を見て、殴りたくなったが我慢した。   ここで殴ったらこの話は進まない。     俺の話を聞いて桜庭が彼女に連絡を取ってくれる事になった。       昼が過ぎ、得意先から出てきた俺の携帯が鳴り、ディスプレイに見知らぬ番号が表示された。     その掛かってきた電話に出ると、それは藍子ちゃんからのものだった。   桜庭から大体の内容を聞いていたらしく、乗り気になっている彼女は、今晩仕事帰りに話そうと言ってきた。   待ち合わせの場所を決めて電話を切った。   彼女に相談すればなんとかなりそうな気がしてきて、俺はホッとした。     聡美には仕事で帰りが遅くなると伝えた。     待ってろよ聡美。   お前に絶対ウエディングドレスを着せるからな!    
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