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「変だよねぇ。だってさ、健康優良児のアタシと真ちゃんが子供作ったら、翌月には生まれてくるって」
「バーカ。10か月経たないと生まれてこないだろ」
あ、そうか、と言って聡美はキッチンへと行ってしまった。
コーヒーのいい香りが漂ってくる。
聡美はすぐにでも子供が欲しいようだが、俺はもう暫く聡美とふたりの生活を満喫してもいいと思っていた。
聡美は面白い女だ。
『出来な~い』『判んな~い』と、自分を可愛く見せようとする女は俺は嫌いだ。
聡美はそう言う言葉を一切言わない。
『出来る』『判る』と言うくせに、出来てない、判っていないのが実に俺を楽しませてくれていた。
俺がいないとダメなのか?と、男心を何気に擽ってくる。
それが計算でないところが可愛い。
「真ちゃん、はいコーヒー」
「ありがとう」
「また来月頑張んなくちゃね」
「ん?」
聞き返した俺に、子作りだよ、と聡美が返す。
聡美の排卵期に毎日のセックスは、正直きつい。
やっぱり歳なのかと思わされる。
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