休日のサプライズ

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  結婚して半年以上が経ち、毎月聡美の排卵期にやっていながら子供が出来ないのは、もしかしたら俺に原因があるのか?   ふと、そう思った。   しかし、オタフク風邪も子供の頃に罹っているし、作る能力が無いわけでは無いはず。     それとも何か?     聡美の中で、若くて元気のあるモノを選別していくと、俺のは全てそこで年寄りの烙印を押され排除されているとか。     自分でそんな事を考えてみて、笑いたくても笑えない俺がいた。       「あぁ、そうだ。真ちゃん今日アタシ出掛けるから」   遅い朝食の準備をキッチンでしながら聡美が言う。   何処へ?と聞いた俺に、藍子ちゃんと約束があると言った。   女同士のショッピングだと聞いて、俺は新聞に目を落としたまま返事をした。     「アタシのいない間淋しいでしょう?」   「いや、のんびり本を読むつもりだから静かでいい」   俺が笑いながらそう言うと、聡美の頬が膨らんだ。     この間仕事帰りに買った本を棚から取り出し、テーブルの上に置き読書の準備が出来た。  
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