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「目線こちらにお願いします」
カメラマンに言われるまま俺達はポーズをつけ、笑顔を作り写真を撮られていった。
「真ちゃん、惚れ直した?」
「ああ」
「この先、ずっと一緒だよ」
「ああ」
俺の隣に想像以上に綺麗な聡美がいて、俺に笑顔を向ける。
「あ、あの、今からアタシこのオッサンのホッペにチューするから、1枚お願いしますっ!」
カメラマンに向かいそう言うと、聡美が背伸びをして唇を近付けてきた。
「お、おい、やめなさい!」
「いいから、いいから」
逃げようとする俺の腕を掴み、聡美の唇が頬に触れた。
「新郎様、笑顔で宜しくお願いしま~す」
カメラマンの声に、もはや俺の逃げる道は無いとみた。
「はーい、オッケーです」
どんな写真に仕上がるのか……。
多分、俺の顔は引き攣っているだろう。
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