夕日とベンチ

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  車で自宅から20分の所にある大型ショッピングセンターへと向かった。   休日の駐車場には沢山の車が溢れかえっていた。     聡美と一緒に中へ入ると、そこも人が溢れている。     「あ! 聡美ぃ」   人の行き交う中で声を掛けてきた人がいて、その声に聡美が反応した。     「ありゃ、陽子」     手を振り合いながら互いに近付き会話が始まる。     「工藤さん、お久しぶりです」   「ああ、久し振り。陽子ちゃん目立ってきたね」   そう言って彼女の腹に目をやると、嬉しそうな笑顔を向ける。     「何か月になった?」   聡美が聞いた。      「もうすぐ5か月。そろそろ胎動があるよって、この間の検診の時に先生に言われたんだけど、全然そんな感じじゃないんだよね」   「動くとどんな感じなんだろうね?」   そう言いながら聡美は彼女の腹に手をやり触っていた。   彼女の持っていた紙袋から顔を覗かせているのは、生まれてくる子供のために買ったモノであろうと思わせる色合いで、どうやら服のようだ。     「楽しみだね」   聡美がそう言うと彼女は嬉しそうに笑った。     その笑顔を見て、俺の胸が苦しくなった。    
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