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「言えよ。男らしくないなぁ。女の腐ったのみたいだよ。いいオッサンがグジグジとしちゃってさぁ。
若くないんだからグジグジ言ったって可愛くないよっ!」
「言い過ぎだろっ! 俺は真剣に考えてんだ!」
言い返すと聡美は立ち上がり、俺の目の前に立ち腰に手をあててこちらを見下ろした。
「アタシ達はアタシ達でしょ?」
「いいのか?
ホントにそれでいいのか?
俺に原因があれば聡美は一生子供を生めないぞ。友達が母親になっていくのを見るのは辛くないか? だったら……」
「このオッサンは……」
そう言って聡美は溜め息をついた。
「シャキッとしろよっ!
一度決めたらグダグダ言わないっ!
アタシ達はアタシ達っ!
アタシは真ちゃんが好き。だからずっと一緒にいたい。
真ちゃんは?」
「…………」
俺は缶コーヒーを両手で包むように持ちながら考えていた。
「真ちゃんに原因あったとしても、アタシはいいよ。
なんてさ、アタシ達二人共に原因あるかもよ。
真ちゃん、あの時言ってくれたよね。
アタシが傍にいてくれるだけで幸せだって。
アタシもだよ。
真ちゃんがいつも傍にいてくれたら幸せ」
俺は聡美の顔を見た。
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