オッサンは辛いぜ

7/10
前へ
/89ページ
次へ
  「ねぇ、真ちゃん、桜庭さんと藍子上手くいってるじゃん。あのふたりこのままいけば結婚するよねぇ」   「ああ、そうなるんじゃないか? 桜庭も34、あれ? 先月35になったんか。 まぁ、するだろ?」   「だよねー」   肉料理を頬張りながら聡美が嬉しそうに言った。  友達の結婚を聡美は楽しみにしてるようだ。   俺としても桜庭が結婚して、幸せになる事を望んでいる。     「ご馳走様でした」   両手を合わせそう言った聡美は、食器をキッチンに下げ、次にお茶を持ってやってきた。   目の前に置かれた湯呑みを持ち、俺は席を立ちリビングのソファに移動する。   リモコンでチャンネルを変えニュースを入れた。     ニュースを見ながらお茶を飲んでいる間、聡美はキッチンで洗い物をし、明日の朝のために米を研いだり、冷蔵庫を開け何やらやっていた。     「真ちゃん、今日の料理どうだった? 美味しかった?」   ああ、旨かったと答えると、聡美が傍にやってきて俺の隣に座った。     「真ちゃん、また料理教えてね」   俺の肩に頭を乗せてそう言う聡美が可愛い。     「肉料理がいいな。真ちゃんに精力たくさん付けさせなくちゃならないからさ」    前言撤回だ。     悪魔だ、コイツは。    
/89ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2582人が本棚に入れています
本棚に追加