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「アタシ、あとから藍子と一緒に陽子の病院に行ってくるから」
朝食を摂りながら聡美が言う。
それで朝からバタバタしていたようだ。
「名前、どっちにしたんだろうね」
「さぁ、どっちにしても可愛い名前だからいいんじゃないか?」
「うん。なんか楽しみだぁ。あ、真ちゃんご飯のおかわりは?」
「いや、いらない」
そう?と言って聡美は自分の茶碗を持ってキッチンへと行き、そして山盛りのご飯をのせて戻ってきた。
「朝からよく食うな」
「うふっ! だってこのお米コシヒカリだよ! 真ちゃんが会社のボーリング大会でGETしてきてくれたからかなぁ。
凄く美味しい!」
ボーリングの景品じゃなくてもコシヒカリは旨いと思うが……。
「お前、そんなに食ってたらブタになるぞ」
「ふん。いいもーん」
飯を食い終わり仕事に行く準備をする。
リビングのサイドボードの上に置いてある鍵と財布を持って聡美が傍に来る。
俺がそれを受け取ると、こちらに顔を向けて聡美が言う。
「いってきますのキスを忘れちゃいかん!」
唇を尖らせ待つ聡美の頬についていたご飯粒を取ってから、軽く唇に触れた。
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