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「最近の藍子ときたら、相撲取りみたいな身体になっちやって……」
「ん? 桜庭のとこももうすぐだったか?」
昼休みに俺と桜庭は会社の近くのラーメン屋で、テーブルを挟み座っていた。
「ええ、2週間後が予定日なんですよ。検診の時に病院で性別を教えてくれるらしいんですけど、聞いてないんですよ。生まれた時の楽しみにとってあるんです。どっちが生まれてくるのかなぁ」
桜庭はそう言いながらデレッとした顔をした。
(気持ち悪い)
「今日は聡美と一緒に行ってんだろ? 病院に」
「ええ」
陽子ちゃんの生んだ子供の顔を見に行くと、やはり彼女も朝からバタバタしていたそうだ。
そんな時俺の携帯が着信を知らせ、席を立ち店の外に出た。
その電話は聡美からのものだった。
「真ちゃん! 桜庭さんがつかまらないのっ!
どうしよう、ねぇ、どうしたらいいのっ!」
ただ事じゃない様子に、落ち着くように言い、何があったのか聞いた。
「それがね……」
(え? ホントかよ?!)
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