こんにちは、赤ちゃん!

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  「あ、工藤さん……」   病室のベッドの上の彼女が起き上がろうとするのを制止して、聡美と一緒に近付いた。     「どう? 痛い?」   「今は落ち着いた。さっき聡美が出てった後がちょっと苦しかったぁ」   笑顔で余裕を見せる彼女がお茶が飲みたいと言い、俺が1階の売店に買いに行った。     腹は減ってないのか?   出産というのは重労働なんだろ?   何か食べた方がいいのかと思い、その売店で売っていたサンドウィッチとおにぎりを一緒に買った。     病室の入り口に近付くと、中から呻くような声が聞こえた。   中に入ると陣痛に苦しむ彼女と、傍にいてオロオロする聡美、そして冷静に彼女の陣痛に対処する看護師がいた。     「桜庭さん、陣痛から陣痛までの間隔が短くなってきてるわね。これだと赤ちゃんに会えるのも早いわよ。頑張りましょうね」   「は……い……」   苦しそうな表情で返事をする彼女を見ている聡美も、険しい表情をしていた。     「子供ってこんなに早く生まれてくるもんなのか?」   思わず口にした言葉に看護師が振り向く。     「個人差があるんで一概にこの時間とは言えないんですけど、桜庭さんの場合は早いですね。でも、何も心配いりませんよ」   看護師はそう言い、そしてまたベッドの方を向くと彼女に何かあればナースコールをするように言って病室を出ていった。  
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