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ベッドに横になりながら俺は本を開く。
いつもの習慣だ。
寝る前には必ず本を読む事が、この数年続いている。
聡美は風呂に入っていて、ちょうど読書の時間としていい感じになっていた。
今、俺が見ている本は、そう、桜庭が貸してくれた名付けの本。
初めて見るその本には、画数が示すその意味が書かれていた。
親として子供の未来がいい方向にと考えるのは当たり前の事だが、こうやって本で示されると真剣に考えなきゃならんと思わされるもんだと思った。
と、同時に、本当に画数で決まる事なのか? とも思った。
俺の名前の総画を出してみると36という画数になり、36が持つ意味を読んでみた。
頭脳明晰で直感力があり先見性も豊かと書かれていた。
人の意見を聞く耳もあり協調性を持って進めば持ち前の判断力の的確性が生かされ努力が実る画数とあった。
(ホントかよ)
ついでに聡美のも調べてみた。
「ぷっ、当たってんじゃないか?」
頑固さに注意する必要あり。
頑固だ、頑固。確かにあいつは頑固なんだよ。
結婚しても名字の変わらなかった聡美は、元から頑固だったって事だな。
俺はベッドの中で笑っていた。
「名付けの本って笑えるの?」
風呂から上がった聡美が声をかけてきた。
「いや、それほど笑えはしないが、笑おうと思えば笑えない事も無い」
そう答えた俺に、聡美は不思議そうな顔をしていた。
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