小さな手に幸せを…

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  聡美の妊娠が解ってから2か月が過ぎた。     腹の中の赤ん坊は順調に育っている。      そんなある日の休日に俺達は散歩をしていた。   ゆっくり、のんびりと歩きながら、近所の公園に向かう。     数人の子供が遊具で遊ぶ中、俺達はベンチに腰掛けた。     「いつかこの公園に子供達と遊びに来るんだね」   「ああ、そうだな」     聡美の視線の先を見ると、父親と遊びに来ている子供の姿があり、自分にも訪れる光景に顔が緩む。     「ふふっ」   「何だ?」   「アタシが母親になるなんて思ってなかったから……。不思議って思って」      俺もこうなるとは正直思っていなかった。   この先もずっと聡美を母親にしてやれないと思っていた。   それは聡美も同じで、俺を父親にしてあげる事は無いと思っていたと言う。     「あはは。アホだよね。何処も問題なく出来たんだもん。最初から問題なんか無くて、勝手に出来ないって思ってただけでしょ。 なんだったんだろうね。あんなに悩んだのは」   聡美は笑い出す。     「俺は良かったと思うな。聡美の俺に対する気持ちを知る事が出来たし、俺には聡美しかいないって事が改めて解ったからな」   「それならアタシも同じだよ。やっぱり真ちゃんが一番好きだって思ったもん」     聡美はそう言って俺を見た。  
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