まずは1

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 町に蔓延る悪人を成敗する正義の人。  悪人は斬られても斬られても次々と現れる。  不死身だとか闇の一族だとかゾンビの類いであるとかでは、もちろん無い。  あ、いや、そういう時代劇モノはあるにはある。  新撰組+京の都で陰陽師がどうたらこうたらとかで、都が魔界になってしまったとかなんたらかんたらな小説か映画かを見た覚えがある。  とにかく、目の前の電光板に映る映像の元である時代劇の悪人はいたって普通の悪人だ。  ……普通の悪人って何だろう?  まぁともかく、とにかくともかく、普通の悪人の彼らは斬られたら勿論死ぬ。  この時代劇に峰打ちなんて生易しいものは無く、正義の人に豪快に斬られて死ぬ。  でも次の回には懲りずに悪人は正義の人の前に現れる。  それはつまり新しい悪人が現れたという事。  前回までの悪人の代わりは次の回にはすぐに用意されていて、その悪人の代わりもその次の回には用意されている。  悪は滅びない、代わりなどいくらでもいるのだ。  もちろん、正義の人も負けてはいけない。  大量に悪人を斬りまくった人の代わりも必ず用意されている。  何にだって、代わりは必ず用意される。
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