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目の前の液晶内でまたも悪人が斬られるが、だからといって正義の人は喜びもせず最後の一人を逃してしまう。
つまり、またハズレだ。
この台は当たらないのかもしれない。
いや、この機種が当たらないのかもしれない。
横一列に同機種が並んでいるが、客はそこそこ居るはずなのに座っている数が少ない。
横目で見る限り座っている他の客にも当たりは来ていない様子で、つまり正義の人は無駄に悪人を斬りまくっているということだ。
人道的に言えば、どちらが悪かよくわからなくなりそうだ。
いや、即死刑に処さなければならない程の悪行を振る舞っているわけだからやっぱり悪人が悪か。
私にとっては当たってくれないこの台そのものが悪なんだけど。
お金をやたらと吸い込んでいく。
このカネゴンめ。
ともかく正義の人は今日調子が悪いようなので、機種を変えよう。
人気機種っぽいものを選ぼう。
人の多そうな場所に移動だ。
他の客の目を避けてこの台を選んだのだけど、背に腹は変えられない。
いや、当たらない苛立ちを当たる喜びと代えるのだ。
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