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「仕事したくない」
「何をいきなり言い出すんだ、それじゃあ開始僅か1頁で話が終了するだろ」
「何の話?」
「大人の事情だ」
「大人の事情ってまあいいや、でも仕事はしたくないんだよ。今日は仕事の気分じゃないんだよ」
「そうかそれじゃあお前にぴったりの仕事があるぞ」
「俺の話聞いてなかっただろ」
「仕事したくて堪らないって話だろ」
「大丈夫か、記憶が都合のいいように改ざんされてるぞ」
「都合のいいようになら問題ないだろ。じゃあこれ頼むな」
「そうだな、陸なら問題ないよな。どれどれ中森勇気小学4年生。なんだこれ、個人情報ばっかりじゃないか。仕事内容が見当たらないぞ」
「あっそれは簡単だ。その中森勇気って子から話を聞けばいいだけだから」
「話って何の?」
「本当の事を聞き出せばいい。内容は何でも構わない」
「はっ? 意味分からないんだけど」
「そのままの意味だ。後は自分で考えろ。俺も詳しくは知らないんだ。だからその後どうするかは依頼人と解に任せる」
「そんなんでよく仕事受けたな。まあ色々大人の事情でもあったって事か?」
「そういう事だ」
「分かったよ、それで依頼人って誰なんだ?」
「その子の両親だ」
「少し見えてきたな。じゃあ早速行ってくるとしますか」
「仕事の気分じゃないんじゃなかったのか?」
「お前、いつか……いや何でもない。行ってくる」
「じゃあ彼に宜しく」
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