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目を覚ますと私は冷たい床にうつ伏せで寝ていた。室温は少し寒い。暖房をかけてよ…
指先が冷たくて手を見た。
知らないうちに手のひらは小さな紙を握っていたようだ。
“1時間後にあなたの目の前の爆弾は爆発します。しかしロープを使えば、爆死せずにすみます。赤い線か青い線どちらかをハサミで切れば爆弾は爆発しません。ちなみに、首吊りは気持ちいいものですよ”
私は何度も繰り返しその紙を読んだ。
…わからない。
しかし、足下においてある 爆弾 らしきものは、一秒ずつカウントダウンされていて、残り45分と表示されていた。
私は爆弾と、わっかのついたロープと、踏み台と、ハサミと、開かない扉を何度も確かめるようにして見た。
うそだ。これは夢だ…
しかし本能が現実を読み取った。
何もしなければ死ぬ。
ヤバい。
私はまた紙に目を通した。
死ぬしかないの…?
爆弾解除は二分の一。
赤か青。このどっちか片方を切れば助かる。
でも、どっちか片方切ると、死ぬ。
怖い怖い怖い怖い怖い!!
死ぬの怖い!
「ぃぃぃいやあぁぁぁぁあ!!!誰か!!助けて!戸を開けて!!早く!!やだ。いやだ。死にたくないの。ねぇ!!誰か助けてよ!!!」
私はパニックに陥って、気が付けば開かない扉を叩いていた拳が痛いと感じるまで時間がかかった。
「助けて...助けて..」
残り時間18分。
赤 青 赤 青 赤 青 赤 青 赤 青 赤 青 赤 青
私は震える両手でハサミをつかんで、何度も意を決したが、導線を切れないでいた。
残り時間 7分。
決められない。どっちかなんて決められない。
一秒でも長く生きていたい。爆弾、痛そう…。
知らないうちに私の目は、ロープと踏み台に釘付けにされていた。
あっちの方が、良いかもしれない。
しかも、もしかしたら早く見つけてくれて助かるかもしれない。
爆発したら体がバラバラになっちゃうけど、首吊りは、ばらばらにならない。
私はロープのもとへ歩いた。
部屋が狭いから3歩くらいだった。
爆弾のカウントダウンは1分をきっていた。
きっとすぐ見つけてくれる。助かる。大丈夫。
踏み台に上がって、輪に頭を入れた。
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