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あれは確か俺が小学校に上がるまでの頃だったんだろう…
今では名前や顔すら忘れてしまったけど…
「ねぇ~…貴也は○○の事、好き?」
何気なく聞かれた問いに
「○○ちゃんの事、だぁ~い好きだよ♪」
満面の笑みで答える僕
(そう言えば、当時は僕って言ってたんだったかな…)
「そしたら私達、相思相愛だね☆」
「そうしそうあい?」
「お互いに好き同士なんだって☆」
「そうなんだぁ~☆そうしそうあいだね♪」
「だから…ね。大人になったら、〇○を貴也のお嫁さんにしてね♪」
「うん☆絶対に○○ちゃんをお嫁さんにする☆」
「約束だよ☆」
「うん」
そう言って、夕焼けに映える茜空をバックに指切りをする幼い自分と少女…
こんな日がいつまでも続くと思ってた…
小学校に上がるまでは…
時は過ぎ、僕達は小学生になった。
入学式の緊張もすっかり無くなり、友達も沢山出来た。
でも、その結果『あの子』とは疎遠になってしまった。
それは…
僕と『あの子』が一緒に遊んでいる所を友達の一人が見付けて
「や~ぃ、貴也が女と一緒に遊んでるぞ~!明日から女になれよ!」
言って良い事と悪い事を知らない頃だ。
そして、僕も…
「あれは、○○が勝手に付いてっただけだよ~!」
「じゃぁ、僕達と一緒に遊ぼうぜ!!」
「うん!!」
そうして、僕は○○ちゃんを置いて、友達の後を追いかけて行った。
置いて行かれた方の気持ちなんて微塵も考えずに…
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