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「二度目なんです。トキさんに会うのは……。憶えていますか?」
招待面だとばかり思っていた。
ふとトキは毎朝の稽古終了後を思い出す。
沢山の生徒がトキを囲む中、彼は一人木によじ登ってただ独りを見つめていた。
「えっと……」
「ごめんなさい……ごめんなさい、ごめんなさい。やっぱり言うんじゃなかった……僕は"影"なんだ」
何かを怖がるようにカラスは時から離れ、部屋から出ていってしまった。
──なんだろう……この違和感は。
胸のどこかで何かが突っかかっているようで、トキは胸苦しさを覚えた。
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