髪飾りを貴方に……

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 案の定彼はそこにいた。  入り口に背を向け、肩を震わせている。 トキの存在には気づいていなく、彼はカッターナイフを包帯の巻かれた左手首に刃をつけた。  「あなたの迷惑になるのなら、今ここで消えてしまったほうがいい」  すぐにトキは行動を察すると、彼からカッターナイフを奪い刃をしまいその場に投げ捨てる。 驚くほどトキの顔は険しい。 誰にも見せたことがない険しい表情だ。 .
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