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もう自由だ。
自由にトキと一緒にいられる。
「トキさん」
「うん?」
「僕もあなたが好き、もう絶対に離したくない」
「カラス……」
「……はい」
名前を呼ばれ、顔を向けるとトキの額と自分の額が重なりあう。
伝わる温もりは体を火照らせた。
そのまま滑り落ちてきたトキの唇はカラスのそれを結びつければ、感じる熱と柔らかい感触に涙が止まらない。
「カラス?」
「幸せです、トキさん」
今はそれだけで十分。
愛する人の名前が呼べることだけで。
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