朱夏

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朱夏

プライドの高い六月の空が      涙を流す事を躊躇っている      出番を待ち侘びた夏の太陽の     わざとらしい冷たさは     俺の身体を芯まで染めた     不快な目覚めが物語った一日は     足跡ひとつ残さず過ぎ去り      寒がりな自己嫌悪だけが     喜びはしゃいでいた     弱々しい夏の足音は     青春からパスを受けた     俺の朱夏を表してるような気がした
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