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俺はレーダーを仕舞うと、ショットガンのボンプを引いた。
「……ストーム1、エンゲージ<交戦>」
そっと呟く。そして……駆け出した。
飛び交う銃弾と酸液。舞い散る血飛沫。響き渡る悲鳴。
「うおおおおぉおお!!」
「弾丸をくれてやる!!」
「ひぃいい!被弾しましたぁ……!」
「敵は大きい!外すんじゃない!」
雄叫びや指令も混じる。
その中、俺は一匹の敵に側面から肉薄した。
「……ファイア<発射>」
ストックを肩に押し当て引き金を引き絞る。
「キシャアアアア……」
散弾を零距離で浴びればひとたまりもない。蟻はものの見事に上空に吹き飛び、あっという間に見えなくなった。
「あれだけ飛ぶということは、重量はそれほどでもない……か?」
「ストーム1!後ろだ!後ろに注意しろ!」
その声に慌てて振り返る。そして俺の視界に入ったのは、案の定蟻だった。
「おッ……!」
反射的に横へ転がる。と、その瞬間ビシャアア!と、嫌な音がした。
「隊長!ナイス回避です!」
続いてアサルトライフルの連射音。そして蟻の断末魔が聞こえる。
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