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ポルックス「そろそろお昼の時間だね…」
萌月と一緒に遊んでいる内に、あっという間に時間が過ぎ、ちょうど風月と萌月のお腹の虫が音を鳴らした。
ポルックス「フフ…そろそろ姉さんがお昼ご飯を持ってくるから……」
カァーカァー!!
ガァー!!
その時、急に外が騒がしくなった。
風月「なんだ?」
不思議に思った風月たちは窓の外に視線をやる!!
萌月「…!!」
外では1匹の白い鳥を3匹のカラスたちが攻撃をしていた。
ポルックス「鳥のケンカ?」
風月「…いや、もしかしたら、いじめじゃないか?」
ポルックス「いじめ?」
風月「たまに白いカラスが生まれてくることがあるんだ。だけど白は目立つから群れで足手まといになる…それどころか天敵に自分たちの居場所がバレてしまったりして命を危険にさらしてしまう。だからあんな風にいじめて白いカラスを群れから追い出して自分たちの命を守ろうとするらしい……って聞いたことがあるような気がする……」
風月は萌月に見せていい光景なのかな?と思い、萌月の方を見た。
萌月は泣きながらも白いカラスがいじめられている光景から目が離せなかった。
風月「萌…月…?」
そんな萌月の姿に風月はなんて言葉をかけていいのかわからなかった。
しかし、風月の呼びかけに萌月は意を決するとすぐにスケッチブックに文字を書いて2人に見せた。
萌月『あの鳥を助けて!!』
風月「………ポルックス」
ポルックス「いやいや、こういう見せ場は風月様が」
風月「………」
萌月「………(キラキラ)」
萌月は風月の服のすそをつかみ、風月の顔を見上げる。
そして自然に上目遣いになり、目がお願いと主張していた。
風月「…行ってきます」
ポルックス「この窓からじゃなくて別の窓から出てね~行ってらっしゃ~い♪」
萌月「………♪(ブンブン)」
ついに風月は折れ、萌月の部屋をでていった。
そんな風月の背中にむけてポルックスは手を振って見送り、そんなポルックスの様子を見て萌月も真似て同じように手を振って見送った。
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