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少し時間がたち、また壁が回転を始めた。
三千世「うわぁああああん!!恐いよ、恐いよ、すごく恐いよぉ!!今度はなにをされるんですかぁ!?なんか鼻唄が聞こえるし、萌月ちゃんがいかにも変な色をしたものを持ってるしぃ~!!てあれ?なにもしないで出ていこうとしてる?ま、まさか!!私はこのまま放置プレイですかぁ!?イヤァアアアアア!!!!せめてここから解放してぇ!!おねが…」
どこかうれしそうな顔で萌月は隠し扉から出てきて、右手には白濁色の液体でいっぱいになっているビーカーを持っていた。
風月「………」
風月は胸の前で十字を切り、三千世の冥福を祈った。
風月「早く三千世のオートマタが完成するといいな…」
風月の独り言は萌月には聞こえず、萌月は手に持っていたビーカーの中の液体をカラスの口の中に少しだけ含ませた。
そしてビーカーを近くにあった机に置き、白カラスをしっかりと抱きしめた。
白カラス「………ガ!?」
すると、白カラスは一気に覚醒、そしてすぐさま暴れまくった。
萌月「………!!」
萌月は絶対に離さまいと暴れる白カラスをさらに力強く抱きしめる。
白カラス「ガァーガァー!!!!」
白カラスはそんな萌月を敵と判断したのか、抱きしめている手をつつき始めた。
ポルックス「ちょっ!?萌月様、今すぐ離して!!」
風月「このバカカラスが!!焼鳥にしてやろうか!!」
カストル「萌月様、離しなさい!!」
しかし萌月は白カラスを決して離そうとはしなかった。
これではどうすることもできず、3人はただ見ることしかできなかった。
それからどれくらい時間が経ったのだろうか…
萌月の手からは血が流れており、顔にも傷があり、服も少し破けていた。
白カラスはようやく暴れるのをやめ、萌月を見た。
萌月はにっこりと笑顔になると白カラスの頭を軽くなでた。
白カラス「…カァ♪」
白カラスはひと鳴きすると萌月の胸で完全におとなしくなった。
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