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風月「ありがとう木風、だけどもういいよ」
木風「いいえ、私も行くわ」
職員室前に風月はいた。
風月だけでなく、木風も釈迦都先生に事情を説明すると言ってついて来ていた。
風月「いいんだ…悪いのは俺なんだ……」
木風「あ、あきらめたらそこで試合終了よ!!あるバスケットの監督が言ってるでしょ!!」
木風はそう言うと、風月の言葉を待たずに職員室のドアを開けた。
釈迦都「おや、来ましたね」
ドアを開けると、すぐに釈迦都先生が気づいた。
木風「え?」
風月「あれ?」
しかし、そこにいたのは釈迦都先生だけではなかった。
釈迦都「まあ2人ともこちらに来なさい」
2人は釈迦都先生に促されて釈迦都先生の机の近くまで歩いた。
釈迦都「さて風月くん。君の宿題なんだが、やっていたのだけど不慮の事故で出せないみたいだね?赤月院さんから聞きましたよ」
赤月院「感謝しなさいよね!!だ、だけど勘違いしないでね。ただ、宿題をしたのに認められないのが許されないだけなんだから!!」
釈迦都先生の朗らかな表情とは裏腹に、赤月院は顔を真っ赤にしながら言葉をまくしたてた。
風月「あ…ありがとな赤月院」
それに風月はあまりにうれしくなり、赤月院の頭をなでた。
赤月院「な、なにするのよ!!」
風月「まあまあ、本当にありがとな
赤月院は言葉では嫌がっているが、なでている手を払いのけようとはしなかった。
そのかわり、ほおを膨らませて風月を見ていた。
釈迦都「しかし」
しかし釈迦都先生の言葉がはいった。
釈迦都「だからと言って、なにもさせないわけにはいかない。だから変わりの宿題を用意しました。少ない量なので明日までにはできますね?それをしてくるように」
そう言って風月に新しい宿題を渡した。
風月「…まあいいか」
結局、宿題をするようになったが、風月はあまり嫌な気はしなかった。
木風「………」
そして、誰も木風のことを見ておらず、もしここで風月が木風の方を見ていたら気づいていたかもしれない。
そんな木風の気持ちは誰にも気づかれず、宿題騒動は終わった。
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