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「分かった、依頼を受けよう」
アルバートが言うと、サラはパッと表情を輝かせる。
「ありがとうございます、これで父の仇が討てます――」
「おいおい、あんまり過度な期待はしないでくれよ」
素っ気ない態度のアルバートにサラは少し落ち込んだようで、しゅんと肩を落とした。
「……そうですよね。警察があんなに捜査してても捕まらないのに、探偵さんがすぐ捕まえられるわけ――」
「勘違いするな、別に捕まえられないと言った訳じゃない。ただ、変なプレッシャーをかけられちゃこっちがやりにくいってだけだ」
ボリボリと後頭部を掻きながら、アルバートはきまりが悪そうな表情で言った。
キョトンとするサラ。
キュリオは、そんな2人のぎこちないやり取りを微笑ましく見ている。
「おい、なに笑ってんだ」
「別に笑ってないですよ。これが僕の普段の表情ですから」
「……けっ、言ってろォ」
アルバートは荒っぽくため息をつくと、すっとソファーから立ち上がった。
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