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「ルービックキューブなんて、大した難易度じゃありませんよ」
「あァ!? まーたお前は勝手なこと言いやがって!!」
2人はせっかくやって来た客には気付かずに、あーだこーだと言い争っていた。
「あ、あの――」
「それじゃ、何で暇つぶしをするんですか? ダーツならありますけど」
「やだ。お前強すぎるんだよ」
「あーのー……」
恐る恐る女性が声をかけてみても、2人が気付く様子は全くなさそうだった。
まるで、客が来ることなど微塵も予想していないかのようである。
「じゃあそうですね。掃除でもしますか」
「あー、それなら勝手にやってくれ。だったら俺は寝てた方がマシだ」
そう言って、大あくびをする初老の男。
女性の方はというと、そろそろ我慢の限界に達してきていた。
「あのっ!!」
女性は思い切って、全力を持って2人に呼びかけてみる。
その声があまりにも大きかったので、初老の男はソファーから転げ落ちそうになっていた。
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