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「――は、はァ。依頼ねぇ」
客人に気付いた初老の男は、すぐに女性を迎え入れた。
テーブルの上には、女性の持ってきた新聞が一枚。
『パッチワークマンの出現』と、一面に大きく見出しが書かれている。
「と、依頼の話の前にまずは名乗ることから始めないとな。俺はアルバート・ホルムズ。そしてあっちが」
「助手のキュリオ・ワッチソンです」
「いや、俺は助手と認めてないけどな」
微妙な沈黙が流れた。
アルバートのぶっきらぼうな物言いに対し、キュリオは大して気にしていないのかマイペースにキッチンでお茶を淹れている。
「あ、あのー……彼は助手じゃないんですか?」
「ああ、あいつはさしずめ犬ってとこだよ」
酷い言われようだった。
しかし、キュリオにとってはもはや日常茶飯事の出来事なのだろう。
「お待たせ致しました」
それまでのことなど全く耳に入っていなかったかのように、自然な笑顔でテーブルの上に紅茶を並べていった。
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