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キュリオも席についたところで、今度は女性の自己紹介が始まる。
「えっと、私はサラ・コーウェンスと言います。この度ここに足を運んだのは、他でもないコイツについてのことなんです」
そう言って、サラは新聞をトントンと人差し指で叩いた。
「パッチワーク、マン……」
顎に手を当て、渋い表情を見せながら呟くアルバート。
「誰だそりゃ」
「知らないんですかっ!?」
そのアルバートの意外過ぎる一言に、サラはテーブルの上に突っ伏してしまいそうになる。
「あはは、実はうちは新聞止められてまして……でも私は知ってますよ。今巷を賑わせている、連続殺人鬼のことですよね」
さり気なく残念な事実を告白するキュリオだったが、こちらは全くの無知というわけではないようだった。
「なんだよ、お前知ってるのかよ」
「ええ。パッチワークマンの被害者は殺された後、顔をグチャグチャにされた上で縫合をされているんです。その様子がツキハギをあてたみたいだからと、新聞社が面白がってそんな名前を付けたんですよ」
「なる程な」
簡潔にパッチワークマンについての説明を受けたアルバートは、小難しい顔をして頷いた。
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