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「で、お前さんとパッチワークマンに、何の関係があるって言うんだ?」
顎をくいっと突き出して、サラの話を促すアルバート。
「それは……」
途端にサラの表情が曇り始めたが、何か心の中で覚悟を決めたのだろう。
芯の強い瞳を向けたサラは、まずは一言口走った。
「父が、パッチワークマンに殺されたんです」
ピクリ、とアルバートの眉が動く。
キュリオの草食動物みたいな微笑みも、この時ばかりは消え失せていた。
「……どういうことだ?」
「父が犠牲になったのは、今から一週間近く前のことでした」
さらにアルバートに促されて、サラは訥々と2人に事情を話し始める。
「家は代々医者の家系で、その日も父は病院に出勤していたんです。でも、いったい何に巻き込まれたのか……。翌日、裏通りの方で発見された父は、変わり果てた姿になってました」
「……なる程な」
涙を浮かべて語るサラに、アルバートは渋い顔をして相槌を打った。
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